TC(トランスファーセンター)とは?
物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

在庫をあまり持たずに商品をすばやく届ける物流効率化の方法があるとしたら、気になりませんか?そのカギがTCで、TC(Transfer Center:通過型の中継拠点)とは、物流現場で活用される通過型倉庫であり、在庫を長期間保管せず、効率的に仕分け・配送を行う物流拠点です。ここではTCの意味や仕組み、物流効率化のメリット・課題、倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)との連携など、物流業界で重要なポイントをやさしく解説します。 この内容を読めば、TCの全体像や仕組みをしっかりイメージできるようになります。

ピッキングとは?意味・種類・効率化の工夫をわかりやすく解説

TCとは?物流業界における基本的意味|用語の正体と似た施設との違い

TC(Transfer Center)の正式名称と意味

「注文したのに、どうしてこんなに早く届くの?」と感じたことはありませんか。TCとは、荷物を保管せずにすぐ仕分けして次の配送へ渡す拠点(Transfer Center)のことで、入ってきた商品を短時間で行き先ごとに振り分け、当日または翌日には出してしまうのが特徴です。TCは、いわば物流の“乗り換え駅” となる通過型倉庫で、荷物は止まらずに流れ続けます。これにより、物流効率化が進み 、食品の鮮度が落ちにくくなり、セール期間の大量出荷にもスピード感を保てます。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

この仕組みが重要な理由は、在庫を抱えないことでコストと時間の両方を削れるからです。保管棚や在庫管理の手間が減る分、在庫スペースの維持費や管理にかかる人件費など、保管に関わるコストを抑えられます。そのため、朝集荷した飲料や日用品を昼に仕分けし、夕方には店舗へ向けて出発、といったテンポの速い流れが実現します。現場では「クロスドック(荷受けと出荷を直結させる運用)」とも呼ばれ、トラックの到着時刻に合わせて人と荷物を動かす段取りがカギになります。

また、TCは需要の波に合わせやすいのもポイントです。例えば、新商品発売日や大型セールで一時的に取り扱い荷物が急増しても、保管前提ではないためライン(仕分けの流れ)を増員・増便で太くしやすく、リードタイム(注文から届くまでの時間)を伸ばさずにさばけます。結果として、通販の「翌日配送」やコンビニの「1日複数回納品」を支える裏側の仕掛けになっています。

DC(ディストリビューションセンター)との違い

一方で、DC(ディストリビューションセンター)は在庫を持ちながら出荷準備をする拠点です。DCでは入荷した商品を棚にしまい、注文に合わせてピッキング(必要な商品を棚から集める作業)や梱包を行います。TCが通過型なのに対して、DCは保管型です。この違いが重要なのは、商品や販売の特性によって最適な拠点が変わるからです。例えばサイズや色が細かく分かれるアパレルは、注文単位に合わせて詰め合わせる工程が必要なためDCが向きます。一方、飲料や菓子のように同じ商品を大量に各店舗へ一斉にばらまく場合はTCが得意です。適材適所で使い分けることで、欠品(売り切れ)の防止、配送回数の最適化、ムダな在庫コストの削減が同時に狙えます。

まとめると、TCは「保管しないで素早くつなぐ」、DCは「在庫を持って整えて出す」という役割です。自社の商品特性や売れ方に合わせて、どちらを軸にするかを見極めることが、配送の速さとコストのバランスを整える近道になります。ここまでの違いを踏まえつつ、自分たちの現場にどう当てはめるかをイメージしていきましょう。

TCの仕組みと流れを理解する|入荷から出荷までを図解イメージ

入荷から出荷までの流れ

「朝に頼んだ商品が、なぜあんなに早く店に届くのだろう?」と感じたことはありませんか。TC(トランスファーセンター=通過型の物流拠点)は、商品を倉庫にため込まず、入ってきた荷物をそのまま仕分けして送り出す場所です。流れはシンプルで、メーカーからまとまって入荷→店舗や配送先ごとに仕分け→積み合わせ(複数メーカーの商品を1便にまとめる)→すぐに出荷、という順番です。現場では、入荷時にバーコードをスキャンして到着を確認し、店舗ごとの必要数に分けて台車やケースにまとめ、そのままトラックに積み込みます。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

この「ためない・滞留させない」運び方が、当日〜翌日配送のスピードを生み、欠品リスクを下げることにつながります。なぜ重要かというと、在庫を抱える時間とスペースを減らせるため、コストを抑えながら新鮮な商品を素早く動かせるからです。

どんな商品がTCを経由するのか

TCに向いているのは、回転が早く、店舗ごとの必要数が日々はっきりしている商品です。たとえば、飲料や菓子の定番品、コンビニの惣菜、ドラッグストアの日用品、キャンペーンで一気に動く季節商品などが典型です。これらは「SKU=在庫管理上の単位(商品)」ごとに発注数が見えやすく、ケース単位やバラ単位で素早く仕分けできます。一方で、長期保管が必要な高額家電や、サイズが不揃いで個別検査が必要な商品は、在庫型のDC(ディストリビューションセンター=保管型の物流拠点)に向いています。なぜこの見極めが重要かというと、TCに適した商品を通すことでトラックの積載効率や仕分けの生産性が上がり、逆に不向きな商品を無理に通すと、作業が滞ってコスト増や誤出荷のリスクが高まるからです。

TCが果たす物流効率化の役割

TCの最大の役割は、物流の「ムダな待ち時間」と「ムダな運び直し」を減らすことです。具体的には、複数メーカーから入る荷物を一度に束ね、配送先ごとにまとめることで、店舗には1便で必要な品がそろって届きます。これにより、トラックの回転率が上がり、ドライバーの走行距離や待機時間が減ります。また、倉庫内での保管スペースがほとんど要らないため、設備投資と固定費を抑えられます。さらに、需要が急に増えたときも、TCなら入荷と同時に仕分け量を増やして即日対応しやすく、売り逃しを防げます。こうした効率化が重要なのは、物流の人手不足や燃料費高騰が続く中で、スピードとコストの両方を守る「現実的な解」がTCだからです。

全体として、TCは「保管しないで素早くつなぐ」仕組みによって、スピード、在庫の軽さ、配送のムダ削減を同時に実現します。次は、この TC をどう現場に落とし込み、ムリなく運用するための考え方を、具体的な工夫とともに見ていきましょう。

TCを活用するメリットとデメリット|企業・小売・消費者からの視点

「注文の翌日に届いて助かった」、そんな体験の裏側には、在庫を置かずに通過させて仕分ける拠点「TC(通過型センター)」があります。DC(在庫型の配送拠点)と違い、TCは荷物を一気に集めて一気に振り分けるのが得意です。ここでは、企業・小売・消費者それぞれにとってのメリットと、導入時の注意点をやさしく整理します。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

企業側のメリット

企業がTCを使う最大の利点は、リードタイム(受注から出荷までの時間)の短縮です。例えば、各工場や仕入先からバラバラに出ていた荷物をTCに集約し、店舗別・地域別にまとめて即日または翌日に出すことで、配送回数を減らしつつスピードを上げられます。これは、在庫をTCに置かないため、棚入れや棚出しの工程がなくなることが背景にあります。

また、物流コストの平準化にも効果があります。繁忙期にトラックが足りない、逆に閑散期に空気を運ぶ、といったムダを、TCでの共同配送(他社と一緒に運ぶ取り組み)や積載率の改善で抑えられます。荷主(出荷する企業)にとって、出荷の波をTCでならすことは、輸送単価の急上昇を防ぐ保険のような役割を果たします。

さらに、食品や日配品などの鮮度が求められる商品や、発売日をそろえて展開したい新商品にもTCは向いています。季節商品やキャンペーン品をTCに集め、全国の店舗へ同時に届けると「発売日に一斉陳列」が実現します。これは販売機会を逃さないうえ、売場の演出力を高め、結果として売上の山を作りやすくなるため重要です。

小売・消費者側のメリット

小売にとっては、店舗のバックヤード(店の裏の在庫置き場)を圧迫しないのが大きなメリットです。TC経由で「必要な分だけ」「必要なタイミングで」届くため、店舗は売場づくりに時間を使えます。スタッフが段ボールの山と格闘する時間が減るほど、接客や品出しの回転が良くなり、売れ残りの削減にもつながります。

消費者にとっては、欲しいタイミングで商品が手に入る安心感が魅力です。オンライン注文の「店舗受け取り」や「翌日配送」を支えるのがTCのスピード対応です。温度帯(常温・冷蔵・冷凍)を分けた仕分けがしやすい点も、食品の品質維持に役立ちます。結果として、買い物体験の満足度が上がり、リピート意向が高まります。

さらに、欠品の減少も見逃せません。店舗ごとの売れ筋に合わせてTCでこまかく振り分けられると、人気商品が偏って在庫切れになるリスクを下げられます。売場に「あるべき商品がある」ことは、日々の買い物ストレスを減らす重要な要素です。

TC導入の課題・デメリット

一方で、TCは「仕組みが整ってこそ」機能します。最初にシステム投資が必要で、受注データや出荷計画をリアルタイムでつなぐ仕掛け(WMS=倉庫管理システム、TMS=輸配送管理システムなど)が欠かせません。ここが弱いと、荷物がTCに着いても仕分け指示が間に合わず、かえって遅延や誤出荷を招く恐れがあります。

また、品揃え(SKU=在庫管理上の単位)の多い業種では、仕分け精度と時間の管理が難しくなります。通過型ゆえに「遅れてきた1箱」を待つかどうかの判断が現場で発生し、締め時間を過ぎると全体の便が遅れます。これは、部門間での約束事(締め時間・ラベリング・パレット積みのルール)がバラついていると起きやすく、現場の作業負荷を高め、結果として全体の品質を下げる要因となります。

さらに、自然災害や交通障害の影響が一点に集まりやすいリスクもあります。拠点を通過させる設計は効率的ですが、代替ルートやバックアップ拠点の用意がないと止まりやすいのが弱点です。BCP(事業継続計画)として、サブのTCや直送切り替えの手順を決めておくことが重要です。

TCはスピードとムダの削減に強く、企業・小売・消費者それぞれにメリットをもたらしますが、システムと運用ルール、そして代替策の設計が成功の鍵になります。次は、自社に合ったTCの活用方法を見つけ、物流効率化の効果を最大化するポイントを見ていきましょう。

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TCとIT・システムの関係|現場を支えるデータ連携と自動化の基本

朝いちばんに注文がまとまり、トラックが続けて到着する──そんな慌ただしい時間帯こそ、通過型センター(TC=在庫を置かず、入ってきた荷物を素早く振り分けて出す拠点)の真価が問われます。人が紙の伝票を見比べて動くやり方では、遅れやミスがすぐに積み重なります。そこで力を発揮するのが、倉庫や輸配送をつなぐITとデータの自動連携です。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)との連携

WMS(倉庫管理システム)は、入荷・仕分け・出荷の動きを管理する中枢です。TCでは、入ってくる荷物のバーコードを読み取るだけで、行き先の店舗や納品時間が画面に出ます。ここでTMS(輸配送管理システム)とつなぐと、車両の配車計画や積み付け順番まで自動でひも付きます。現場スタッフは「どの台車をどのドックに置くか」が即座にわかり、迷う時間が減ります。

この連携が重要なのは、TCの仕事が「スピード勝負」だからです。たとえば午後便の締め切りまでに100店舗分を仕分けるとき、WMSとTMSが別々だと、積み残しや積み順の入れ替えで遅延が起こります。連携することで、現場は締め切り時刻、運行ルート、荷姿(ケースかバラか)を同じ前提で動けます。その結果、誤出荷の低減、待機時間の短縮、車両の積載率アップといった効果が同時に生まれ、コストとサービス水準の両方を守れます。

電子データ交換(EDI)による指示の自動化

受注データや出荷指示をEDI(Electronic Data Interchange=企業間で注文や納品データをやり取りする仕組み)で受け取ると、紙やメールの転記が不要になります。たとえば午前9時に得意先から流れてきた出荷指示が、そのままWMSに取り込まれ、ピッキングラベルや仕分け先のリストが自動で発行されます。訂正があれば上書きデータが届き、最新版に差し替わります。

なぜ重要かというと、TCは「短い時間で大量の指示が動く」からです。人が手で入力すると、わずか1%の入力ミスでも1,000件で10件の誤りになり、店舗クレームや再配送につながります。EDIで自動化すれば、入力ミスがほぼゼロになり、指示が来た瞬間に作業が立ち上がります。さらに、到着予定(ETA)や温度帯の条件も一緒に受け取れるため、ドック割り当てや冷蔵・常温のライン分けも先回りで準備できます。結果として、現場は慌てず、トラックも待たず、ムダな動きが減ります。

TCとIT・システムの連携は、速さと正確さを同時に高め、現場の混乱を防ぐための土台です。小さな自動化の積み重ねが、納品の安定とコスト削減に直結します。次は、この土台をどのように現場へ落とし込み、ムリなく回し続けるかを具体的に見ていきましょう。

TCが注目される背景と今後の展望|EC拡大・自動化・グリーン物流の波

EC・ネットスーパー拡大による需要増

「夜に注文した日用品が翌朝届くと助かる」と感じたことはありませんか。こうしたスピード配送の裏側で、TC(トランスファーセンター=通過型拠点、商品を保管せずに仕分けしてすぐ出す)が力を発揮しています。経済産業省の調査でも、国内のB to CのEC(消費者向けネット通販)市場は大きく拡大し、食品や日用品の注文も右肩上がりです。ネットスーパーのように「短時間で多頻度」の配送が当たり前になるほど、在庫をためるDC(保管型の倉庫)だけでは間に合わず、通過前提で即配するTCの役割が大きくなります。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

なぜそれが重要かというと、ECは注文の波が時間帯や曜日で大きく変わり、SKU(商品)の種類も多くなります。TCは、入荷した商品をその場で配送先別に仕分けし、すぐに出荷できる仕組みです。そのため、夜間や遅い時間帯の注文でも、当日または翌朝には届けやすくなります。その結果、欠品や配送遅延を減らし、利用者満足を高められます。また事業者にとっても、在庫を長く持たないことで資金の固定化を防ぎ、保管スペースや人件費の負担を抑えられるため、需要の波に合わせた柔軟な運用が可能になります。

自動化・ロボット化の進展

忙しい夕方の現場を想像してください。次々に届く商品を、人が走り回って仕分けするとミスも疲労も増えます。そこで導入が進むのが、AMR(自律走行ロボット)やGTP(棚ごと運ぶ仕組み)、高速ソーター(自動仕分け機)などによる自動化です。TCは「滞留させずに動かす」前提のため、これらの機器と相性が良く、入荷から出荷までのリードタイムを数十分単位で短縮できます。

これらが重要な理由は、2024年以降の人手不足と労働時間の上限規制(いわゆる2024年問題)にあります。自動化は人の負担を減らすだけでなく、締切(カットオフ)を遅らせても間に合う体制を作り、売り逃しを防ぎます。また、スキャンや重量チェックを機械に任せることで検品精度が上がり、返品や再配送のコストを抑えられます。投資が必要でも、出荷量が大きいTCでは効果が数字として返りやすく、現場の安定運用につながります。

持続可能な物流(グリーン物流)との関係

環境面でも、TCは実は役に立ちます。TCは保管時間を短くできるため、倉庫の空調や冷蔵に使う電力を抑えられます。生鮮や冷凍・冷蔵品でも「通過前提」で動かすことで温度管理のムダを減らし、品質維持にもつながります。さらに、幹線輸送(都市間の大量輸送)とラストワンマイル(自宅までの最終配送)をTCで切り分ければ、積載率を高めやすく、トラック台数や走行距離の削減に直結します。

なぜこれが大切かというと、企業の脱炭素目標やサプライチェーン全体のCO2削減が求められているからです。TCで荷物を束ねて共同配送に回せば、同じ量を運ぶのに必要な便数を減らせます。加えて、鉄道・フェリーなどへのモーダルシフト(輸送手段の切替)とも組み合わせやすく、走る距離を短く、積む量を多くする設計が可能になります。結果として、コストとCO2の両方に効く「続けられる物流」を実現できます。

ECやネットスーパーの拡大によって、物流にはこれまで以上に「早く・正確に・ムダなく」届ける力が求められています。TC(トランスファーセンター)は、こうしたニーズに応える通過型の仕組みとして、在庫を持たずにスピードと柔軟性を両立できる点が評価されています。さらに、自動化やロボット化の進展により、TCでは人手不足への対応や作業品質の安定化が進みつつあります。加えて、CO₂削減や共同配送などのグリーン物流にも貢献できるため、企業の持続可能な物流戦略の中核として注目が高まっています。今後は、TCを単なる中継拠点ではなく、「スピード・効率・環境」の三立を実現する戦略拠点としてどう設計・運用するかが企業競争力を左右していくでしょう。

TC:よくある質問(Q&A)

同梱は後から依頼できますか?
出荷準備前であれば可能な場合があります。倉庫でピッキングが始まると梱包が確定するため、同梱変更は難しくなります。注文直後(特に当日午前中など)に連絡すれば対応できることが多いです。
同梱できる商品とできない商品の違いは何ですか?
温度帯(常温・冷蔵・冷凍)が異なる商品、割れ物と重量物の組み合わせ、発売日が違う予約商品などは同梱できません。品質保持や安全性を保つため、出荷ルール上で「同梱不可」の設定がされています。
同梱を希望したのに別々に届くのはなぜですか?
倉庫や仕入れ先が異なる場合や、注文の締め時刻を過ぎていた場合などに別送となります。また、商品の在庫が揃っていないと、全体の出荷を遅らせないために分けて発送されることがあります。
同梱にすると発送が遅くなることはありますか?
はい、あります。複数の商品のうち1つでも在庫が遅れると、全体の出荷が後ろ倒しになるためです。特に予約商品との同梱では「欠品待ち同梱」となり、到着が遅れるケースが多いです。
同梱によって送料はどのくらい安くなりますか?
商品サイズや配送距離によりますが、2件分を1件にまとめることで20〜40%程度の送料削減が見込まれるケースが一般的です。特に段ボールや緩衝材の使用量も減るため、資材費や保管スペース削減にも効果があります。
同梱時の破損を防ぐにはどうすればいいですか?
重いものを下、軽いものを上に配置し、緩衝材を十分に入れることが基本です。さらに、同梱禁止リストを明確にしておくと、現場で判断に迷いません。商品ラベルに「同梱不可」マークを付けるのも効果的です。
同梱できるようにするシステム設定はありますか?
はい、WMS(倉庫管理システム)や受注管理システムで「同一顧客・同一住所の注文を自動でマージ(統合)」する機能があります。カットオフタイム(出荷締め時刻)を設定することで、自動的に同梱候補が抽出されます。
同梱ミスが多いのはどんなときですか?
注文が集中する時間帯や、似た商品・パッケージが多いときに起きやすいです。特に、急ぎ対応時の確認漏れが原因になるため、チェックリストとバーコード検品を併用するのが効果的です。
同梱作業を外部の倉庫に任せられますか?
可能です。3PL(サードパーティ・ロジスティクス)に委託することで、同梱ルールの設定やシステム連携を含めた運用を代行してもらえます。ただし、同梱条件や可否判断の基準を事前に明文化して共有しておくことが大切です。
同梱を活用して環境対策につなげることはできますか?
はい、できます。同梱は配送回数と梱包資材の使用量を減らすため、CO2排出や廃棄物削減にも直結します。物流の効率化と同時に、環境負荷低減の施策としても注目されています。

まとめ:TCとは物流の「中継点」であり、効率化の要|要点のおさらいと実務のヒント

TCの役割は「通過させる」こと

あなたがスーパーで見かける新商品が、発売日にちゃんと棚に並ぶ。その裏側で働くのがTC(Transfer Center=通過型の中継拠点)です。TCは倉庫のように長く保管せず、入ってきた荷物を素早く仕分けして、店舗や配送先へそのまま送り出します。たとえば午前に複数メーカーから届いた商品を、午後には店舗別に積み替えて出荷するイメージです。通過させる前提で動くため、在庫を抱えにくく、スペースや人手のムダを抑えられます。なぜ重要かというと、保管を減らすほどコストとリードタイム(届くまでの時間)が短くなり、売り逃しや廃棄のリスクも下がるからです。

TC(トランスファーセンター)とは?物流効率化・仕分け・通過型倉庫の仕組みとメリットを徹底解説

現場で効くKPIとボトルネック

TCの品質は、通過時間(到着から出荷までの滞在時間)、誤出荷率(間違った届け先への割合)、積載率(トラックの載せ具合)、時間順守率(定刻どおり出発した割合)といった指標で確認します。たとえば滞在時間が長いと、その分だけ現場が詰まり、次の便が遅れます。逆に誤出荷が起きると、返品や再配送で現場が止まり、コストも信頼も落ちます。なぜこれが肝心かというと、TCは「中継」なので一つの遅れが連鎖的に広がり、最終的に店頭やお客さまへの遅配につながるからです。小さな遅れを放置しない仕組みづくりが、全体の安定運行を支えます。

明日から試せる実務のコツ

現場で効く工夫はシンプルです。まず、事前情報(入荷予定や店舗別の数量)をデータで受け取り、到着前に仕分け枠と人員を割り当てます。次に、店舗別ラベルや色分けで迷いを防ぎ、動線を「入る→仕分け→出る」の一方通行にします。さらに、到着時間の予約制とこまめな時差搬入でピークをならします。具体的な効果は次のとおりです。

  • 滞在時間の短縮により、同じスペースで処理量が増える
  • 誤出荷の減少により、返品・再配送料が下がる
  • 積載率の平準化で、トラック台数や運賃のムダが減る
  • 出発時刻の安定で、店舗の品出しや販促計画が立てやすくなる

これらはどれも、作業の迷いをなくし、ピークの山を低くすることに直結します。

全体として、TCは「保管しないでつなぐ」ことで、時間とコストを同時に縮める仕組みです。まずは通過時間と誤出荷率の見える化から始めて、ムリ・ムダ・ムラを一つずつ減らしていきましょう。

TCをはじめとする物流拠点の運営には、精密な設計と確かな現場力が欠かせません。SBSリコーロジスティクスは、リコーグループで培った高品質な物流ノウハウを基盤に、設計から運用までを一貫してサポートしています。

特に、多品種・多頻度の配送に対応できる業務設計力と、現場を止めない改善力が強みです。全国に広がるネットワークと最新の物流DX・ロボティクス導入実績により、TCはもちろんのこと、DC(保管型センター)や生産物流などあらゆる物流領域で最適な仕組みを構築します。また、品質・コスト・納期(QCD)の最適化だけでなく、環境負荷の低減や労働環境の改善にも積極的に取り組み、**「人にも環境にもやさしいロジスティクス」**を実現しています。

物流を単なるコストではなく、企業成長を支える戦略資産とするために。SBSリコーロジスティクスは、お客様のサプライチェーンを次のステージへ導くパートナーとして、これからも現場から価値を生み出し続けます。

SBSリコーロジスティクスの物流サービス

SBSリコーロジスティクスでは、BtoB配送に特化した高品質な物流サービスを提供しています。精密機器から通販物流まで、信頼と柔軟性を兼ね備えたトータル物流ソリューションをお探しの方は、ぜひこちらから詳細をご覧ください。

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